あのねぇ。最近ね、BL小説読んだりしたんだ。
貴方そういうのも大丈夫なんですか。
うん。大丈夫。基本雑食だから。
相当面白いって評判みたい。というか、流行りのBLってやつらしい。
これ読んどけば、流行りに乗っかれる・・・?
それは・・・どうなんですか。
でね、感想なんだけど・・・人種的な問題が見え隠れする作品だった。
はい?
自分的には、割と難解な小説でね。
ちいさいあたまをふる回転させていっしょうけんめいかんがえたんだけど、
どこをどう考えても行き着いた先は「3つの人種」とその組織構造だった。
その・・・男性同士の恋愛小説ですよね?
そう!
その二人の関係を読み解くために、この国の歴史と王という人種、王に使える人種、政に関わる官僚と国で過ごす民の人種の3人種についてとてもかんがえた。
王というべきか神というべきか奇跡のような力を持つ人ならざるものにしか自分には見えないけど、その人と神と民の間の子供の話か。
そもそも奇跡の御業と血族を謳う王族がなぜ神格化されていないのかが最大の疑問かな。
ぶっちゃけ、神であるといえばすべての話が一本につながるのに。
もしくは、神の理を授かった巫女の家系とか。
とにかく神格化してしまえば、未然に防げる話は多そうに見えたけどなぜそうしないのかいまいちよくわからない。
神格化しないほうがいいのではないのですか?
なんで?
自分の疑問点は、なぜ王族は民に対して興味が無いのか、なぜ王族の身の回りには王族でも民の種族でもない別人種しかそばに置かないのか。
立派な政をなさっているのでしょう?
興味が無いなんて・・・。
そうかなぁ?読んだ限りでは、王は民の人種にはとことん関心がないようだよ。
王族が別人種であること自体を民に教えてきてないようだし、話の流れから国が持つ王の軍隊はすべて王に仕える種族のみで構成されているようだ。
王族が退位したら、すべての軍隊は王についていくようだよ。
これがどういうことを意味するかわかるかい?
むしろ、何かウラがあるのではないかと勘ぐるよ。
まって!待ってください。
この作品は国に対して考える作品じゃないでしょう?
・・・エ。
考えてください。
恋愛小説なのでしょう?どうして、国や組織の話になるのですか?
・・・なんでだろう。
いっしょうけんめいかんがれば考えるほど、あの国の政治的問題とそれに関する民との民族性、人種性を考えてしまうよ。
皆笑ってるけど、なにか大事なことを見落としてるのではないだろうかと。
恐ろしいほどの欠落したなにかを感じて恐怖してしまうのだよ。
そんなに怯えることはないと思いますよ。
ハッピーエンドな小説なのでしょう?
いや、ちがう。違うんだよ。
あの二人は幸せかもしれない。何も知らない民も幸せかもしれない。
でも、なんかこう・・・もやっとするんだよ。
王族側からしか見ていない視点。王族に対して畏怖と敬意、土下座の忠誠。
彼らと考え方が相容れない場合の軌跡の力による制裁。
まるで、国の歴史書が当時の支配者の声しか聞かなかったかのような片側からの気持ち。
なにか、怖いんだ。
なんでしょう。
楽しいはずの小説が怖いのですか。
怖いね。
一番の怖いところは、その恐怖は作家が意図したことではないことだろうね。
これだけは言える。
それをかきたいとは思っていないということを。
まぁ、合わなかったんでしょう?
さっさと忘れたらどうです?
なんで?
合うとか合わないとかそういう問題なの?
そこは、わからないな。
何が言いたいんです?
ただ、最高の世界観を用意してあるはずなのに、底に抜け穴があるかもしれないと危惧しているだけだよ。
別にそれでもいいとは思ってる。
皆最高と称賛するBL小説だよ。もっともっと多くの目に止まり盛り上がっていくのだろうと思う。
なんていうのかな・・・
なんです?
知ってて注意を払って作るのと知らないまま作るのでは多分違うと思う。
もしかしたら、自分のように引っかかり何かを見出す人もいるかも知れない。
それが合わないと一蹴するのもいいと思う。
でも、誤解なら誤解を回避するように気をつけて書く方法もあると思う。
書き方を変えてほしいのですか?
違うね。
知った上で選んで作ってもらえたらそれが一番嬉しい。
きっと勝手に誤解したんでしょとか、反対側の気持ちになればそう思う。
そうじゃなくて、誤解を生むようなエピソードも畫いています。
そんな気持ちになっても仕方がないと割り切ったような気持ちで作ってるならそれでいいと思う。
複雑ですね。
そうだねぇ。
なんでこんなに違う視点を持ってしまったんだろうねぇ。
全くですよ。
この作品読んでると、十二国記や彩雲国物語を思い出してね。
好きなんだ。あの二作品。
彩雲国物語は、最近見直したくらいだ。やっぱりいいね。
それが原因じゃないですか?
え?
そういえば、両方共政治色強いな。
どう国を収めるか、いや政のあり方とか家臣の考え方とか、そういうのを考えさせられるよね。
いい作品だと思う。
むしろ、その記憶が足引っ張って目線変えたのでは・・・?
いや、作品違うよ?大好きだけど・・・あれぇ?
貴方の方に否があるのでは?
マジか!?
だいたい、主人公は政に興味がある方なんですか?
それとも、巻き込まれながらも懸命に生き抜く方なんですか?
うんにゃ。
主人公は、乙女ゲームのヒロイン(40前後の男性)だよ。
いろいろ考えたけど、例えると乙女ゲーのヒロインが一番しっくり来た。
しかも、ヒロインの鏡のような性格だと思う。
良くも悪くも。
では、まとめましょうか。
今をときめくBL小説「緑土なす」は、
乙女ゲーのヒロイン(おじさん)がイケメン(城持ち)に告白されてさぁ大変!オレの静かな人生どうなっちゃうの!?
昔の中華チックな世界でどきどきシンデレラな日常系ストーリーの始まりだよ☆
という感じでお届けします。
なんとかまとまりましたか。
・・・ところで、なんでそんなに軽い紹介文なんですか。
え?
紹介と言ったら明るく軽やか~なやつじゃない。
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